オーロビンドアシュラム訪問記


Sri_aurobindo

 

20代の頃、インド亜大陸を旅しました。

南インドにさしかかった時、地図の上に見つけたある町の名前が気になって、訪れてみたことがあります。そこは交通のアクセスが悪く、ローカルバスをいくつも乗り継いで行かねばならぬ辺ぴな場所でした。
Pondicherry と記されたその町はかつてフランスの植民地だった町。フランス語読みで「ポンディシェリ」地元の人たちは「ポンディチェリ」と発音します。可愛らしい名前でしょう。この音の響きに惹かれたのです。

 

到着して町を散策してみると、インドの他の町にはない静かで洒落た雰囲気に驚かされました。海岸に沿った通りには白い漆喰壁の美しい家が立ち並び、パン屋さんにはクロワッサンだって売っているのです。

そして、見つけたのが「オーロビンド・アシュラム」。アシュラムとは、道場のこと。インドは各地に精神修養のための施設があり、ここで人々は瞑想をしたりヨガをしたりして心身の調和をはかり、霊性の向上を目指すのです。

 

オーロビンド・アシュラムはカルカッタ出身の思想家、シュリ・オーロビンド・ゴーシュとその弟子たちによって建てられたものです。一般にも開放されており、中に入るとシンプルで清らかな雰囲気に私は安堵しました。お香が焚かれていたのですが、今までに嗅いだことのない洗練されたとても良い香りがしました。

インド的な混沌や喧騒ももちろん大好きですが、それが連日続くと正直疲れもします。しかし、このアシュラムのバイブレーションに私は心底癒されたのです。

オーロビンドの思想は東洋哲学と西洋哲学の融合、そして人間精神の向上を目的としたとか、多くの西洋人が彼の思想に傾倒し弟子入りしたそうです。実際、このアシュラムを訪れた時、瞑想している西洋人の多さに驚きました。

 

オーロビンドの死後、弟子の一人であったフランス人女性・マザーがその意志を継ぎ、アシュラムの活動を支え、彼女が死去した後は、その弟子たちがアシュラムを運営しています。

オーロビンドの思想は互いに助け合いながら精神生活を希求する理想都市建設の夢へと繋がり、現在ポンディシェリの郊外、オーロビルという村に建設中のビレッジがあるのですがこれまた良かった。水が無駄なく施設を循環する設備やビザなしで海外からの住民を受け入れる運営体制など実験的な要素がいっぱいの未来型エコビレッジでもありました。
とても居心地が良くて1週間ほど滞在し、いつかこの村の住民になってみたいとさえ思いました。村で暮らすのに貨幣はあまり重要でなく、他の住民のため、また村のために貢献できることは何かが問われ、住民になるには数名の村民からの推薦と審査が必要ということでした。住民はフランスはじめドイツ、ベルギー、オランダ、シンガポールなど10カ国以上の国の出身者で構成されていました。

 

インドにこんなインターナショナルな先駆的なアシュラムがあるとは知りませんでした。オーロビンドの思想は後のクリシュナ・ムルティーやラジニーシなど世界的人気を誇る思想家にも多大な影響を与えたということです。旅の途中、当時すでに有名だったサイババやラジニーシのアシュラムの近くを通る機会はありましたが、何故か立ち寄りたいとまでは思いませんでした。しかし、このポンディシェリにはとても惹かれたのです。

 

帰国後、父にこのポンディシェリのアシュラムの話をしたところ、私が現在関わっているマクロビオティックの提唱者・故桜沢如一先生も生前、このアシュラムに滞在し、マクロの普及活動をされていたとのこと。どうりで施設の食事は皆、調和の取れた野菜料理が多く美味しかったわけだと納得しました。そして、星の数ほどある小さな町の中から、マクロと関係の深い町に偶然訪れるなんて本当にご縁とは不思議なものだと思いました。

さまざまな国のヒーリング・ビレッジを訪れる機会に恵まれましたが、居心地の良さではこのオーロビンドのアシュラムとエコビレッジが最も印象に残っています。もし今、1ヶ月位休みがもらえるとしたなら絶対に滞在したい場所のひとつです。

 

いや、私のみならず時間的に余裕のない生活の中、色々なストレスを抱えながら現実と格闘している日本人にこそこういったヒーリング・ビレッジで過ごすゆったりした時間は必要だと思います。

でもあんな居心地の良い場所、まだ日本にはないな。ならば、自分が作っちゃえばいいか・・・でも莫大な資金が必要だ。そのためには身を粉にして働かなきゃならない。これではまた気持ちのゆとりが失われるしなぁ。

 

そうだ!良いこと思いついた。私自身がヒーリング・ビレッジになれば良いんだ。人が私と関わる時、何かほっとして安らいだ気持ちになってもらえるような、そんな居心地の良い場所に私自身がなろう。旅に疲れた私の心身に清清しい風を吹き込んでくれた、あのポンディシェリのアシュラムみたいな場所に。

 

 

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noahnoah

治療家。マクロビオティック指導家。導引研究家。子供の頃から「生きる」ことの不思議に興味を持つ。20代で放浪の旅に出たインドで九死に一生を得る体験をする。以来、宇宙と生命の繋がりについて考えるようになる。現在、モノを書くことを通じて宇宙生命の神秘に近づこうと奮闘中!

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